正直、途方に暮れていました。
3年前、病棟薬剤業務をスタートしたところまでは良かったのです。
けれど、病棟に配置したスタッフの経験値やスキルは様々。
デキる者は放っておいても大丈夫だが、そうでない者は伸び悩んでしまう。
気が付けば、スタッフ間の力量の格差は広がる一方だったのです。
かといって、マンパワー不足の中、もう一人指導者を送り込むことなどできる訳がありません。
そんな時です、クラウド型院内医薬品集のことを知ったのは。
導入してすぐに気づきました。
業務改善の「カギ」はDI業務なんだってことを。
病棟薬剤業務では、薬剤師一人一人がDI業務を担わねばなりません。
ところが、伸び悩んでいるスタッフの大半は、情報収集で四苦八苦していることがわかったのです。
そもそも薬剤師の役割は、収集した情報を評価・加工・提供することが本分。
それが、その前段でつまづいていたら伸びる道理もありません。
「クラウド型」は、「いつでも・どこでも・誰でも」目標の情報に素早くアクセスできるツールです。
導入後は、これまで情報収集に費やしていた時間を本来の業務に充てられるようになりました。
あと、自ら入手した情報をコメント欄に書き込める点も秀逸ですね。
誰かが書き込めば、その情報は瞬時に薬剤師全員で共有されます。
情報がもっと蓄積すれば、薬剤師業務のどのようなシーンにも対応できる情報源となることでしょう。
まさしく「薬剤師の薬剤師による薬剤師のための医薬品集」なのです。
・・・てなことを言いながら、一番助けられているのは、実は薬局長である私なのかもしれません。
薬局長って、データ集計のニーズが結構多いんですよね。
困るのが、「採用品中で後発品は何品目?」といった薬品数の質問。
こればかりは事務方に尋ねる訳にはいかず、今まではヒーヒー言いながらカウントしていました。
でも、現在ではDI担当の薬剤師に訊ねたら、ものの1~2分で答えてくれます。
これも「クラウド型」の威力ですね。
導入に踏み切って正解でした。
※写真の人物はイメージであり、本文とは関係ありません。