フォーミュラリー4.0とはクラウド上に構築した
薬剤師のための院内医薬品集です お問い合わせフォームはこちら

FAQ(よくある質問)(その1;フォーミュラリーとは?)

今回より「ステップ5:FAQ(よくある質問)」に進みます。

弊社では薬剤師向けの情報インフラ「フォーミュラリー4.0」をずっと提唱していますが、「難解過ぎてよくわからない」という声が時折寄せられます。
私自身も「確かにそうかも」と感じていますし、それゆえ精力的に情報発信を行ってきたのですが、どうしても舌足らずになってしまいます。
そこで、これまで発信してきたフォーミュラリー4.0に関する情報を全てQ&A形式に再編成して一挙公開しようと考えた次第です。

フォーミュラリー4.0に関心を持ち、疑問点をとことん解消したいと思う方は是非最後までお付き合いください。
それでも解決しない疑問は本メールの最後尾にあるお問い合わせフォームよりご質問いただけると幸いです。

**お時間のない方はこちら(要約動画です)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Q1.フォーミュラリーって何ですか?

A.直訳すると「(医療機関で利用可能な医薬品の)処方集」という意味の薬学用語です。 近年ではそこから発展して「医薬品集」「利用指針」といった意味にも用いられるようになりました。

(解説)
私が初めて「フォーミュラリー」という言葉を聞いたのは、高知市立市民病院に入職した平成元年のことでした。2穴ファイルに綴じられたワープロ打ちの院内医薬品集のことでした。

二回目に聞いたのは、高知医療センター初代薬剤局長・田中照夫先生からでした。米国の医療施設を視察された先生からは、「向こうの病院には薬の利用指針(フォーミュラリー)というものがあって、薬剤師はそれを監視する役割を担っている」というお話をうかがいました。

三回目に聞いたのは、平成23年度第4回JASDIフォーラムでのことでした。当時虎ノ門病院薬剤部長だった林昌洋先生はオープニングリマークスで「添付文書よりも踏み込んだドーズ・工程の管理を、院内独自の**Hospital Formulary**をもって行い、「マクロ」のチーム医療を実践する」というお話をされました。プロトコール集としてのフォーミュラリーです。

四回目に聞いたのは平成26年のこと。当時聖マリアンナ医科大学病院の薬剤部長だった増原慶壮先生からでした。今や市民権を得た「医療機関における患者に対して最も有効で経済的な医薬品使用における指針」としてのフォーミュラリーです。

五回目に聞いたのは平成30年度3回JASDIフォーラムでのことでした。その時点でフォーミュラリーには7つの機能・側面があることに知りました。

1.採用医薬品集(リスト):100%
2.臨床エビデンス(有効性・安全性)の評価・確認:76%
3.病院コストに対する薬剤費の影響の評価:85%
4.採用・中止の手続きのルール化(委員会・手順):93%
5.医薬品の使用手順書(標準化・適正使用) :63%
6.薬剤選択をサポートする情報(適正使用・チーム医療):45%
7.ジェネリック医薬品の使用促進:97%

※付記したパーセントはJASDI(日本医薬品情報学会)会員施設に対して実施したアンケート結果

最後に聞いたのは令和5年のこと。m3.comで視聴した横浜市立大学准教授・五十嵐中先生の動画でした。「フォーミュラリーを作成する作業は今後薬剤師が一番活躍できる場所」というお話から、薬剤師のためのフォーミュラリーの必要性を再認識しました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回はここまで。

フォーミュラリーは時代と共に進化・多様化を加速しています。
一つ疑問を呈したいのは、「その過程で薬剤師が置き去りになっていなかったか?」という点です。

薬剤師は「薬の専門家・責任者」であるにもかかわらず、これまでのフォーミュラリーの主体は医療施設や医師に限られていました。
つまりフォーミュラリーのメリットを享受するのは医療施設や医師(そして患者)であり、薬剤師の便益はほとんど図られてきませんでした。
そんな事情を知らない他職種は、「薬剤師は専門家だから」「添付文書があるから」で何事も済ませようとするのですが、本当にそれで我々は大丈夫なのでしょうか?

私は「薬剤師のためのフォーミュラリー」が必須アイテムだと考えています。

大学受験で言えば「参考書」のようなものです。
もし「受験生は勉強が仕事だから」と教科書や辞書だけしか与えられなかったとしたら、合格はおぼつかなかった方が大半を占めると思います。
そんな無茶なことを我々は何の疑問も持たずにやらされていたのです。

薬剤師は年々膨張化・複雑化する医薬品情報と「終わりのない闘い」を続けています。
業務が上手く回らないことだってあるでしょう。
ただそれは「勉強不足」で片づけられる話ではないし、そこに原因を求める時点で思考停止に陥っていると思います。

なればこそ「薬剤師のためのフォーミュラリー」を作りましょう。
それが弊社の最も伝えたいメッセージです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次