「ステップ5:FAQ(よくある質問)」をお送りしています。
**お時間のない方はこちら(要約動画です)
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Q4.フォーミュラリー4.0は薬剤師の業務にどのような影響を与えますか?
A.薬剤師には添付文書に記載されていない医薬品情報を補完する責務があります。3次資料を容易に入手できるフォーミュラリー4.0を活用すれば薬剤師の資質を向上させ、チーム医療で意見を述べる機会を今以上に増やすことができるでしょう。
(解説)
添付文書に書かれている情報だけでは薬剤師業務が完結しないことは周知の事実です。
事実、現行の添付文書は「薬剤師による情報補完」を前提に作成されており、必然的に薬剤師は添付文書以外の資料に当たる必要が生じます。
しかし、このことは他職種や一部の薬剤師には理解されていない場合があり、「添付文書さえ参照できれば十分」という誤解も散見します。
「薬剤師のための医薬品集」を提唱しても反応が鈍いのもそこに起因していると考えられます。
そもそも添付文書は、多忙な医師が短時間で最低限の医薬品情報を把握するための3次資料です。
法的な拘束力は有しますが、そのことと薬剤師向けかどうかは無関係の話です。
むしろ、医師と同じ情報を参照して、薬剤師はどうやって自らの意見が言えるのでしょうか?
唯一できることは、添付文書の遵守状況を監視する(いわゆる粗探し)だけです。
それだけでは薬剤師がチーム医療の一員としての役割を果たしているとは言えないでしょう。
フォーミュラリー4.0の価値は、添付文書「以外」の情報に迅速アクセスできる点にあります。
それは、特定の目的別に加工・編集された3次資料であったり、自施設のみで通用するローカル情報であったり、様々な観点から設定されたフラグであったりと、いくらでも応用自在です。
電子カルテ付属の薬品検索機能に安住し、薬剤師のための情報インフラが存在しないことに疑問を抱かない薬剤師はどうかしています。
薬剤師のための情報インフラは業者には扱えないため、薬剤師自らが作るしかありません。
DI経験のある薬剤師ならば、フォーミュラリー4.0に近いシステム構築を試みたことが一度や二度はある筈です。
ただ、それはノウハウなしに取り組んでも挫折必至の「ハイリスク・ハイリターン」のプロジェクトであり、そこにこそ長年の知識と経験を有する大学堂の存在意義があります。
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今回はここまで。
フォーミュラリー4.0は薬剤師業務への影響を解説しました。
前回触れた時短効果による量的な向上に加え、本号では「薬剤師向けの情報インフラ」を活用することで質的な向上(例.チーム医療)を望めることが理解できたと思います。
今回の話を通じて、情報インフラという面でこれまで薬剤師がいかに恵まれていなかったことが明らかになりました。
「添付文書があるだろ?」
「薬剤師は薬の専門家だろ?」
たったそれだけの理屈で、これまで我々は多大な労力と時間を強いられてきました。
しかし、それは至極当然の話で、これまで薬剤師が自分たちの業務を軽減するための工夫をしてこなかったこと、それを他人任せにしてきたこと、他職種への説明努力を怠ったことが元凶です。
「薬の専門家としての役割を全うするためにフォーミュラリー4.0は必要不可欠」
フォーミュラリー4.0を推奨する理由は至ってシンプルです。