「ステップ5:FAQ(よくある質問)」をお送りしています。
**お時間のない方はこちら(要約動画です)
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Q2.フォーミュラリー4.0とはどういう意味ですか?
A.第4世代のフォーミュラリーという意味です。また4という数字には、4次資料や薬剤師にとっての4番目の情報源という意味合いも持たせています。
(解説)
フォーミュラリー4.0は弊社が提唱している造語です。
第39号で述べた通り、フォーミュラリーは時代と共に進化・多様化しています。
世代別に区分すると以下の通りです。
・第1世代(フォーミュラリー1.0):冊子型医薬品リスト(製本して院内に配置)
・第2世代(フォーミュラリー2.0):電子型医薬品集リスト(電子カルテに搭載)
・第3世代(フォーミュラリー3.0):医薬品の使用指針(安全性・有効性・経済性・供給の安定性などが軸)
・第4世代(フォーミュラリー4.0):4次資料(3次資料の検索ツール;多角的な医薬品評価向け)
1.0~3.0の主たる利用者は医師でしたが、4.0は薬剤師です。
また、1.0~3.0の主たる受益者は医師または医療施設でしたが、4.0は患者やその介助者です。
つまり、フォーミュラリー4.0は、薬剤師・患者・介助者の便益を図るための新世代のフォーミュラリーということになります。
同様に4次資料も造語です。
・1次資料の検索ツール ➤ 2次資料
・3次資料の検索ツール ➤ 4次資料
膨大な1次資料(原著論文など)の中から目的の資料を検索するツールが2次資料だとすれば、3次資料の中から目的の資料を検索するツールが4次資料ということになります。
もし仮に「3次資料の検索ツールなんて要らない」という薬剤師がいたとすれば、それは余程3次資料に詳しいか、逆に疎い薬剤師でしょう。
膨大な3次資料を的確に使いこなすためにフォーミュラリー4.0は必須アイテムと考えます。
では、最後の薬剤師にとっての4番目の情報源とはどういう意味でしょうか?
・1番目-添付文書
・2番目-インタビューフォーム
・3番目-審査報告書
・4番目-フォーミュラリー4.0
1~3番目は特定共同指導の際に厚労省の審査官から聞いた話です。
しかし、多忙な薬剤師にそれらを隅から隅まで読み込む余裕も時間もありません。
よって、これからの時代は加工度の高い3次資料を使いこなす必要があるのです。
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今回はここまで。
今回「フォーミュラリー4.0」という言葉に込められた意味を知ったことで、少しでも皆さんの解像度が上がれば幸いです。
これは私の個人的な見解ですが、「薬剤師のためのフォーミュラリー」は本来第3世代であるべきだったと思います。
本来フォーミュラリーの作成は「薬の専門家」である薬剤師が主導的に行うべきであり、その主な受益者も医師や医療機関ではなく、患者やその家族であるべきです。
従って、我々薬剤師は遅れを取ったことを真摯に受け止め、フォーミュラリー4.0を通じて専門性の向上に努める必要があると考えます。