「ステップ5:FAQ(よくある質問)」をお送りしています。
**お時間のない方はこちら(要約動画です)
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Q3.フォーミュラリー4.0のメリット・デメリットは何ですか?
A.フォーミュラリー4.0は薬剤師のための情報インフラです。メリットは加工度の高い3次資料に迅速アクセスできるため薬剤師業務を質的にも量的にも向上させます。一方デメリットは現状では薬剤師のための情報インフラは存在していないため、自作する以外に入手が不可能な点です。
(解説)
主なメリットを5つ挙げます。
一つ目は「薬剤師向けの医薬品集」である点です。
添付文書をベースにした既存の医薬品集だけでは薬剤師業務は成り立ちません。
薬剤師には医薬品情報を「補完」(患者に照らして評価)する役割があります。
医師と同じ医薬品集を使ってできることは「監視(粗探し)」が精一杯です。
医師と同じ情報源だけを見ていては、チームの一員としての意見を述べることはできません。
尋ねられたことに答えるだけがDI業務ではありません。
むしろ事前に情報収集して薬剤師としての意見を持っておかねばなりません。
二つ目は「3つの壁を克服した情報源」である点です。
薬剤師一人一人がDI業務を担うためには3つの壁(時間・距離・技術)を克服する必要があります。
フォーミュラリー4.0は、クラウドサービスを用いて情報の「いつでも化」「どこでも化」を、「医薬品集(=薬名検索だけで目的の情報にアクセス)」という古来の知恵を用いて「誰でも化」もクリアしています。
ネット環境さえあれば、フォーミュラリー4.0はPCでもタブレットでもスマホでも利用できます。
また、フォーミュラリー4.0では数多くの3次資料をフラグ化しています。
よって「薬品名➤3次資料」の検索はもちろん、「3次資料➤該当薬」の検索も可能です。
フォーミュラリー4.0を活用すれば、情報収集に要する時間を大幅に短縮することができます。
院内システム(電子カルテ・電算システム等)と接続しないため、情報漏洩の心配もありません。
三つ目は「3次資料に出逢える場」である点です。
医薬品の評価は薬剤師がいかに適切な3次資料にたどり着けるかにかかっています。
フォーミュラリー4.0は、薬剤師業務のために作られた3次資料の検索ツール(4次資料)です。
いつでもどこでも誰でも迅速に情報を入手できるため、薬剤師業務を質的にも量的にも支えます。
3次資料は目的別に医薬品情報が編集された「参考書」のような資料です。
いまや「教科書」(添付文書等)だけで薬剤師業務を完結することは難しくなってきています。
四つ目は「メタ知識を会得する場」である点です。
メタ知識とは3次資料にたどり着けるスキルのことです(3次資料の中身を記憶する必要はありません)。
「粉砕ハンドブック」や「注射剤配合変化表」に初めて触れた時、「次もまた使おう」と感じた筈です。
フォーミュラリー4.0は、そのような体験を積み上げることで無理なく薬剤師のメタ知識を育みます。
五つ目は「情報共有を促す場」である点です。
Q&A(質疑応答)集の弱点は「情報が更新されない」「再利用されにくい」点です。
フォーミュラリー4.0には薬品頁毎にコメント欄(掲示板機能)が搭載されています。
検索の都度目に触れるため、この2つの問題点が直ちに解消されます。
薬剤師業務は多様化しており、同じ薬でも業務によって求められる情報は大きく異なります。
コメント欄で共有すれば、フォーミュラリー4.0はどのようなシーンでもサポート可能なツールへと生まれ変わります。
一方、主なデメリットは以下の通りです。
– 薬剤師自身が制作・メンテナンスする必要がある点
– メリットは利用率次第である点(困った時にだけ使っても無意味)
– 使いこなすためには一定の熟練度が必要な点
– kintone利用料が必要な点
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今回はここまで。
フォーミュラリー4.0のメリット・デメリットについて解説しました。
最も強調したいのが「メリットは利用率次第」という部分です。
大半のユーザーはツールを用いることで「楽をしたい」と考えます。
もちろんフォーミュラリー4.0でも、ある程度楽をすることは可能です。
しかし、薬剤師を堕落させるような仕様にはなっていません。
それはどういうことでしょうか?
3次資料は原著論文とは異なり、特定の目的のために加工された情報です。
その3次資料に迅速アクセスできるフォーミュラリー4.0は、「収集」「加工」の工程を大幅に短縮しますが、「評価」の工程は薬剤師自身が担うほかありません。
「収集」「加工」から解放された薬剤師は、次は「評価」に専念しなくてはならなくなるのです。
「情報が手に入らない頃の方が楽だった」なんてことは言って欲しくありません。
ヘビーユーズできないのなら、フォーミュラリー4.0を導入する意味はありません。