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フォーミュラリー4.0の活用方法「書き出し・読み込み機能(実践編)」

「ステップ3:フォーミュラリー4.0の活用方法」をお送りしています。

今回は実践編として、書き出し・読み込み機能とVLOOKUP関数を組み合わせたレコードの一括更新の事例を紹介します。

**お時間のない方はこちら(要約動画です)

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手作業では時間がかかるしミスも多い

医薬品情報は我々の想像以上に目まぐるしく更新されています。

一方、医療施設に採用されている薬品数は、規模にもよりますが1000~3000品目にものぼります。

これらを手作業で更新して常に最新に保つことは、現実的には不可能に近いと言えます。

私も当初は手作業で更新していましたが、月平均100~150時間はかかっていました(自宅でやれたから何とかなりました)。

ただ、当然ながら転記ミスも多々ありました(人間だもの)。

「いかに短時間で正確に転記できるか?」

この問題は書き出し・読み込み機能とVLOOKUP関数を組み合わせることで解決できました。

今回は次の3つの実例をご紹介します。

1.「採用薬データ」(SAFE-DI)の転記
2.「医薬品検索結果」(SAFE-DI)の転記
3.「医薬品供給状況」(厚労省)の転記

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1.「採用薬データ」(SAFE-DI)の転記

SAFE-DIにはクリッピングといって採用薬を登録できる機能があります。

採用薬登録のメリットは、何と言っても以下の情報がCSVファイルでダウンロードできることです。

・投与区分(内・外・注・歯)
・薬品名(商品名・一般名・成分名)
・規格単位(例.1mg1錠)
・会社名
・薬価(薬価改定時期は新旧薬価)
・先発・後発(後発ありは〇で表示)
・規制区分(例.劇向処)
・経過措置日
・HOT番号
・レセ電算コード
・置き換え率(1・2・3・☆・★)
・一般名処方マスタ(あり・なし)
・YJコード
・薬効87分類(例.中枢神経系用薬−精神神経用剤−その他)
・拡張薬効分類(例.抗てんかん薬-内用(ベンズイソキサゾール系))

**詳しくはこちら(ゴメンなさい、これ有料記事です。文末で紹介しているnoteメンバーシップに参加すれば初月無料で読み放題です)
https://note.com/formulary/n/nb47fab416fd1

このCSVファイルからフォーミュラリー4.0から書き出したCSVファイルにVLOOKUP関数を用いて以下の手順で転記します。

❶更新したい項目の先頭のセルにVLOOKUP関数(検索値,範囲,列番号,検索方法)を入力し最後尾までドラッグする。
❷その列をいったんコピーし、同じ列に「値」として貼り付ける。
❸不要な値(#N/Aや0)を削除して空白にする。
❹転記が完了したCSVファイルを保存し、フォーミュラリー4.0に読み込ませる(アップロードする)。

最初は戸惑うかもしれませんが、慣れてくれば数分で済む作業です。

関数の入力を誤らなければ転記ミスもありません。

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2.「医薬品検索結果」(SAFE-DI)の転記

SAFE-DIクリッピングの偉大さはこれだけではありません。

いったん採用薬として登録した薬品群は、それ丸ごとが検索対象となるのです。

例えばSAFE-DIの医薬品検索で「一般名 ニフェジピン」と検索すれば、全規格・全剤形・全メーカー品が検索対象となり、膨大な薬品がヒットします。

ところが、SAFE-DIクリッピングで採用薬登録しておけば、「クリッピング採用薬」の欄にチェックを付けるだけで検索対象が採用薬だけに絞り込まれるのです。

検索結果に上がる情報も豊富です。

1でご紹介した情報以外の情報もCSVファイルでダウンロードできるのです。

・生物由来製品
・向精神薬分類
・投与期間制限
・薬価収載日
・経過措置日
・一般名処方の標準的な記載
・一般名処方加算対象
・基礎的医薬品
・オーソライズド・ジェネリック(AG)
・バイオシミラー(BS)
・ハイリスク薬
・販売中止予定日

これらの情報も1と同様にVLOOKUP関数を用いた転記が可能です。

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3.「医薬品供給状況」(厚労省)の転記

いつ果てるとも知れない医薬品供給問題ですが、迅速な情報入手がその後の対応の難易度を左右します。

一過性のことならともかく、まだ当分このような状況が続くのであれば、当然フォーミュラリー4.0にも掲載すべきと考えます。

幸いにも厚労省が最新の供給状況を集約したサイトを公開しています。

**医療用医薬品供給状況(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kouhatu-iyaku/04_00003.html

ExcelファイルでありYJコードも含まれていますので、これも1と同様の方法で転記できます。

現在フォーミュラリー4.0に収載している情報は下記の3つです。

・製造販売業者の「出荷対応」の状況(①通常出荷②限定出荷(自社の事情)③限定出荷(他社品の影響)④限定出荷(その他)⑤供給停止)
・製造販売業者の「出荷量」の状況(A.出荷量通常Aプラス.出荷量増加B.出荷量減少C.出荷停止D.薬価削除予定)
・限定出荷の解除見込み/供給停止の解消見込み(ア.ありイ.なしウ.未定エ.-)

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最後にまとめです。

今回は「書き出し・読み込み機能」の実践編として、VLOOKUP関数を用いたCSVファイル間の転記方法を実例をあげて紹介しました。

手順はやや複雑ですが、情報量が多ければ多いほど避けては通れない方法だけに、できるだけ早めにマスターしてしまいたい手法です。

VLOOKUP関数はフォーミュラリー4.0のメンテナンスだけでなく、大量の薬品データを扱わねばならない薬局長やDI担当者にとっての必須スキルだからです。

次回からは「グラフ・集計表作成機能」を紹介します。

乞うご期待!

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