「ステップ3:フォーミュラリー4.0の活用方法」をお送りしています。
前回よりフォーミュラリー4.0の独自機能を紹介しています。
3次資料、特に加工度の高い医薬品情報のデータベース、例えば「粉砕・脱カプセルの可否」や「注射剤の配合変化」などは、有料システムに搭載されている場合があります。
著作権が絡むコンテンツにもかかわらずそれが可能なのは、システム会社がデータベース会社に利用料を支払っているからであり、回り回ってシステム価格に転嫁されています。
我々はある意味人件費を払わされている訳であり、「勿体ない」と感じるかもしれませんが、時給の高い薬剤師が作業するよりはリーズナブルなのかもしれません。
ただ、医療従事者ならば大半の3次情報は無料で入手できるのですから、その気になれば「力技」でデータベースを自作することも不可能ではありません。
言い換えれば、現役の薬剤師が関われば大手には手出しできない(=手間のかかる)コンテンツをより安価に提供できるということでもあります。
**お時間のない方はこちら(要約動画です)
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流通に関する情報(リスク管理に関する情報より)
今や医薬品発注担当者にとって「必需品」となった医療用医薬品供給状況データベース。
その歴史は、薬剤師の有志が全国に先駆けて公開した「DSJP([DrugShortage.jp](http://drugshortage.jp/))」から始まりました。
その後、日薬連(日本製薬団体連合会)や日本ジェネリック製薬協会(JGA)が類似サービスを開始しましたが、現時点では厚労省が最新情報を集約した「医療用医薬品供給状況」(2024.4.1開設)に軍配が挙がっています。
ただ、これの難点は全医薬品のデータが収載されているため、1剤ずつ検索しなければならない煩雑さにあります。
そこで弊社は「YJコード」を引数にフォーミュラリー4.0への搭載を実現しました。
「出荷量の状況」から以下の情報が参照できます。
・出荷量の状況
・製造販売業者の対応状況
・出荷停止又は限定出荷の解消見込み時期
厚労省のデータベースの最大の強みは「前営業日付け」の供給状況を公開している点です。
従来のサービスでは1ヶ月程度のタイムラグがあったことを考えると目覚ましい進歩です。
現在「フォーミュラリー4.0」における更新頻度は2週間毎ですが、顧客数に応じて更新頻度を増やしていく予定です。
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漫然投与「注意」薬(ポリファーマシーに関する情報より)
株式会社「データインデックス」から購入したデータベースをもとに作成したコンテンツです。
「ポリファーマシーに関する情報」より以下の情報が参照できます。
・添付文書記載の有無
・(添付文書の)記載箇所
ポリファーマシー対策では有用な情報ですが、現実には1剤ずつ添付文書の記載を確認しなければならないため意外と煩雑な作業を伴います。
「慣れれば簡単」という声もあるでしょうが、こういった些細な障壁を取り除くことが新たな取り組みを後押しするのです。
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後発品の価格帯(属性に関する情報より)
(薬価上の)一般名をもとにSAFE-DIの後発品検索で弊社が1剤ずつ調査したコンテンツです。
例.アシクロビル200mg錠
24.3(1剤)/21.2(2剤)/19.3(3剤)
2024年度より後発品の価格帯が大幅に再編されたことを受けての「期間限定」コンテンツです。
医薬品供給問題の深刻化で、近年では後発品の薬価が先発品やでもない品(先発でも後発でもない品目)の薬価を上回るケースも珍しくなくなりました。
これと上述の「流通に関する情報」を組み合わせることで、より戦略的な採用計画を立てることが容易となる筈です。
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今回はここまで。
今回は現役の薬剤師が営む弊社だからこそできる「力技」のコンテンツの数々を紹介しました。
・流通に関する情報
・漫然投与「注意」薬
・後発品の価格帯
弊社は吹けば飛ぶような零細企業ですが、大手に真似できない「強み」を持ち合わせています。
具体的には次の通りです。
・医療従事者専用のコンテンツ
・オーダーメイドのコンテンツ
・ニッチな領域のコンテンツ
大手の構築したシステムは、開発者自身が現役の薬剤師でないことと、万人受けを狙ったコンテンツが大勢を占めている(=攻めたコンテンツがない)ため、正直面白味を感じません。
この点、フォーミュラリー4.0は薬剤師に刺さるのは遅くとも、いったんハマれば中毒性のあるシステムであり、それが更に薬剤師とシステムの双方を進化させてものと考えます。