「ステップ2:フォーミュラリー4.0の機能」をお送りしています。
**お時間のない方はこちら(要約動画です)
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前回に続き医薬品リスク抽出機能についてご紹介していきます。
近年薬物相互作用の研究が進み、これまでのように「併用禁忌」と「併用注意」の二択しかなかった時代から、「併用するとAUCが●%増減する」といった定量的な評価が可能な時代へと変貌しつつあります。
**興味のある方は下記の過去動画をご視聴ください。
フォーミュラリー4.0では「リスク管理に関する情報」として、相互作用の主要メカニズムのほか、CYP基質薬/阻害薬/誘導薬とその寄与率(CR/IR/CR)といった定量的評価を行うためのパラメータを入手可能な範囲内で収載しています。
現行の添付文書は論文が根拠となっているため、臨床上重要な相互作用が全て網羅されているとは限りませんし、紙面の都合上併用禁忌薬が全て記載されている訳でもありません。
要するに、我々薬剤師は添付文書に具体的な薬名記載のない相互作用をもカバーしなくてはならない時代に生きているのです(パキロビッドの併用薬チェックリストは緊急時における特例に過ぎません)。
AUC変化率をいちいち計算するのは煩雑かもしれませんが、具体的な数値(例.血中濃度が20倍上昇)はこの上ない説得力を与えます。
むしろ薬剤師にとって新たな武器が手に入ったことを喜びましょう。
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2021年よりわが国は超高齢社会(高齢化率21%超)に突入しています。
それまであまり問題とならなかった高齢者に対する薬物療法のあり方も大きく変貌しつつあります。
フォーミュラリー4.0では以下の関連コンテンツを収載しています。
≪リスク管理に関する情報≫
・老年症候群リスク薬(ふらつき・転倒・記憶障害・せん妄・抑うつ・食欲低下・便秘・排尿障害・尿失禁)
・抗コリン作用リスクスケール(1点・2点・3点)
≪ポリファーマシーに関する情報≫
・高齢者において一般に使用を避けることが望ましい薬剤(日本版ビアーズ基準)
・漫然投与「注意」薬
・向精神薬多剤投与減算対象となりうる成分を含む医薬品
≪服薬介助に関する情報≫
・服薬における実例
・服薬介助・服薬指導のポイント
・避けたほうがよいこと
2024年1月に発売された「これだけは気をつけたい! 高齢者への薬剤処方 第2版」(医学書院)は米国ビアーズ基準の日本版であり、高齢者への投与時におけるリスクとその理由、中止手順や代替薬にまで言及されており高価値の情報源となっています・
**購入はこちらから
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医薬品リスクは大昔からのテーマですが、具体的な指標もないまま注意喚起しても論点がボヤけてしまうだけです(例.注意して併用しましょう等)。
それを防ぐためには「数値化」と「エビデンス」を活用するしか手立てはありません。
ぼんやりと頭の中にあるリスクを見える化する上でも本機能は有用な筈です。
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今回はここまでです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次回は医薬品リスク抽出機能の最終回です。