「ステップ2:フォーミュラリー4.0の機能」をお送りしています。
**お時間のない方はこちら(要約動画です)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
生殖毒性と母乳移行は最も古くから論じられてきた代表的な医薬品リスクと言えます。
にもかかわらず、これほど添付文書の記載を鵜呑みにできないジャンルも他になく、まさに「薬剤師による補完」が必須となる項目と言えます。
それは特に「投与後」において重要度を増します。
フォーミュラリー4.0では以下の関連コンテンツを収載しています。
≪生殖毒性に関する情報≫
・FDA胎児危険度分類(A・B・C・D・X)
・ADEC胎児危険度分類(A・B1・B2・B3・C・D・X)
・虎ノ門病院胎児危険度分類(0~5点)
・男性で避妊が必要との記載がある医療用医薬品
≪授乳婦への投与可否に関する情報≫
・Medications and Mothers’Milk2019(L1~5)
実際の医療現場では専門医がこれらの情報を参考に総合的な評価を行い、「産むor産まない」「授乳するorしない」を判断することとなります。
ただ、現在は患者やその家族でも見ようと思えば添付文書を制限なく参照できる時代です。
よって、薬剤師がもし患者や家族から意見を求められた時は添付文書の内容をそのまま伝えるのではなく、産婦人科の主治医のほか、妊娠と薬情報センターに直接相談することを勧めるべきでしょう。
※産婦人科以外の主治医に相談するという選択肢もあるでしょうが、「その分野にどこまで長けているのか?」という一抹の不安は残ります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
医薬品リスクの話題で無視することができないのがRMP(医薬品リスク管理計画)です。
RMPは平成25年4月1日以降に製造販売承認申請された新医薬品とバイオ後続品について策定が開始され、その後は後発医薬品にも範囲を広げています。
誕生から10年を経過したRMPですが、その浸透度は施設によってまちまちだろうとと思います(近年のメーカー資材は原則としてRMPに準拠しています)。
理由は医薬品によって策定の有無(添付文書には承認条件の欄に記載)があるうえ、その内容は別途PMDAサイト(PMDAリンク)でしか参照できないという煩雑さも足枷となっています。
※策定品目数を数えてみたところ、2024年5月の時点で622製品(557成分)でした。
とはいえ、緊急安全性情報(イエローレター)や安全性速報(ブルーレター)が滅多に発行されなくなった理由の一つにRMPがあると言われており、その意義を軽んじることはできません。
「添付文書(に記載されていない情報)の補完」という役割を担う薬剤師としては、見過ごすことはできない情報源と言えます(共同指導でも必ずRMPに関する質問が出ます)。
フォーミュラリー4.0では、RMP策定品目には「その他の属性」の欄にフラグを立てていますし、内容はPMDAリンクを通じて参照することができます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
弊社ではフォーミュラリー4.0の情報源としてデータインデックス社より購入したデータベースを一部利用しています(1本10万単位の高い買い物です)。
元はと言えば無料で入手可能な添付文書を加工しただけのデータに過ぎませんが、加工に要する膨大な労力や時間を考慮すると購入した方が安い場合も多いのです。
以下にデータインデックス社が現在販売中のデータベース(DS)の一部を列挙しますが、DIの専門家からすれば垂涎のラインナップと言えます。
・医薬品リスク管理計画DB
・漫然投与注意DB【購入済み】
・アンチドーピングDB
・タイミングDB(添付文書に記載されている使用回数やタイミングに関するデータベース)
・腎機能低下時の注意DB
・禁忌病名DB他
・医薬品アレルギーDB
・職業DB(薬品の使用時に注意が必要な職業や作業に関するデータベース)
・老年症候群リスク薬DB【購入済み】
・褥瘡発症リスク薬DB
・投与年齢チェックDB
・体重注意チェック用DB
・検査実施喚起DB
etc
これを眺めるだけでも医薬品リスクの世界の奥深さがうかがえると思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回はここまでです。
次回は関連情報自動表示機能を紹介します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【PR】noteメンバーシップ「薬剤師力を飛躍的に伸ばす!メタ知識道場」へのお誘い
フォーミュラリー4.0と並ぶもうひとつの柱が「メタ知識」です。
情報を構造化・インデックス化して把握する「メタ知識」は、果てしなく膨張し続ける医薬品情報を扱う薬剤師にとってなくてはならないスキルです。
豊富な事例をもとに「メタ知識」の活用法を学べ、特定のテーマについて掲示板で意見交換することもできます。
連載記事(1本1000円・月5本程度)が読み放題のお得なプランとなっています。
➤下記のURLより是非ご参加ください(月額500円・初月無料)。
https://note.com/formulary/membership/join